空き家の管理不全是正 税優遇解除
人口減を背景に増える空き家への対策を強化するため、国土交通省は「空家対策特別措置法」を改正する方針を固めた。管理が不十分な物件を新たに「管理不全空き家」と規定し、改善の行政指導に従わなければ、ペナルティとして、住宅としての固定資産税の優遇措置を解除し、適正管理や有効活用を促す。
国土交通省が新規定新設
住宅が建つ土地には、固定資産税が6分の1に減額されるなどの優遇措置がある。これが老朽空き家を解体して更地にせず、放置する一因とされる。
そのため、2015年に全面施行された空家対策特別措置法は、倒壊の恐れがある空家などを「特定空き家」と規定。市区町村が修繕や解体を指導しても従わない所有者に勧告し、税の優遇措置を解除することや、行政代執行で解体することを可能とした。
しかし、全国には別荘や賃貸用などを除く、居住目的のない空き家が約350万戸(2018年)あるとされる一方、これまで市区町村が特定空き家として把握したのは4万戸にとどまり、うち2万戸は解体や修繕で対応がとられたが、特定空き家にいたらないまでも、放置すれば管理状態の悪化が見込まれる空き家は20万戸以上存在する。
こうした状況を踏まえ、改正法案では、より早い段階で広範に対策を促すため、新たに「管理不全空き家」を規定する。窓が割れていたり、雑草が繁茂したりしているものを想定しており、特定空き家同様に、行政が指導・勧告し、税の優遇措置を解除できるようにする。管理不全空き家の基準は今後、指針で定めるとのことであります。