中古住宅市場の現状と転換への取組み

ストック現況とその資産価値

こんにちは、皆さんご存知のとおり、日本の住宅のストック数は総世帯数5,246万世帯に対し6,063万戸(2013年、「住宅・土地統計」)で約817万戸が空き家であります。今後、このままの新規着工が続けば、2040年には空室率が40%を超えるという推計(野村総研)もされています。需給のバランスが崩れた住宅業界で、二極化が進み、このままでは地方都市・郊外では、老朽化の有無に関わらず価値が大幅に減少し、資産価値の低下が増加するのは間違いない話であります。

これまで積み上げた住宅資産は、その投資額累計より500兆下回る資産価値しかなく、欧米に比較するとその差はかなりの差であります。

また、首都圏の新築住宅とその流通価格との関係を、流通時点の築年数においてその価格推移を見ると、マンションでは15年でほぼ半減、戸建ての建物価格は20年でほぼゼロという推計もあります。

そのような中で国の住宅政策も、2006年の住生活基本法施工により「ストック重視の住宅政策」へ舵を切っております、2010年には、「中古住宅・リフォーム市場の倍増」が掲げられ、2012年には、倍増目標を具現化するために講ずべき施策が「中古住宅・リフォームトータルプラン」として取りまとめられました。2014年の税制改正の中に、買取り再販物件を購入した際の登録免許税の軽減や、中古住宅取得後の耐震改修に対して住宅ローン控除制度が適用になるなど、「中古住宅流通・リフォーム市場の拡大・活性化のための特例措置の創設・拡充」盛り込まれました。

一般消費者の意識変化・認知度の向上

一般消費者の意識では㈱リクルート住まいカンパニー調査によりますと「リノベーション」と言葉について、首都圏では89.7%が認知しております。

また、「中古+リノベーション」を検討したい、「是非検討したい」「検討してもよい」の合算で回答した人は、首都圏では61%。

メリットとして1位は「規格化・パターン化された新築分譲住宅と違って、自由設計で住空間に自分らしさを表現できる」、2位「中古住宅を買うので、事前に日当たりや周辺環境や近隣住民について確認する事ができる」、3位「ほとんどの場合、新築住宅を購入するよりもローコストに仕上げられる」が挙げられました。

市場変革への取組み希望

スクラップ&ビルドの世の中から、ストック&リノベーションの社会へと変化していくためには、積極的にこの社会にイノベーションを起こしていくことが必要であり、住宅を取得するもしくは利用するための利用するの本質的な価値軸に合わせ、本来の住まいや暮らしの価値軸へと変えていくことが重要である。

真に豊かな住まい、暮らしの実現に向けて、そこに暮らす人々のための成熟した社会構造を形成し、既存住宅型住宅市場を形成される事を今後望んでいきたいと思います。

 

 

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