特殊詐欺 (振り込め詐欺) 通話録音で防止
埼玉県内の特殊詐欺被害を防止するため、川口市や蕨市など10市が固定電話の通話内容を録音できる「通話録音装置」を住民に無償貸与している。埼玉県の調査によると、以前詐欺とみられる電話を受けた世帯の9割超が、「装置設置後は同様の電話がなくなった」「減った」と回答した。被害抑止に一定の効果があるとみられ、自治体関係者は「今後も装置の普及を推進したい」としている。
装置は着信時、「この電話は振り込め詐欺などの犯罪被害防止のため、会話内容が自動的に録音されます」という音声を再生し、通話を自動録音する仕組みであり、家電量販店などで7,000円から1万円ほどで市販されており、簡単に固定電話に取り付けられる。
埼玉県内の特殊詐欺の被害金額は2014年に過去最高の約42億円に上ったが、これを受けて翌15年に特に被害の多かった川口市・上尾市・川越市・越谷市・春日部市の五市が国の「地方消費者行政推進交付金」を活用し、高齢者世帯など計約950世帯に装置を無償貸与した。
埼玉県の調査で効果を確認、認知件数は高水準
埼玉県が昨年から今年にかけて実施したアンケート調査によると、以前振り込め詐欺などとみられる不審な電話があった524世帯の内、約73%に当たる106世帯が「減った」と回答した。こうした効果を受けて今年新たに蕨市・春日部市・上尾市・さいたま市・新座市・三郷市・鶴ヶ島市の7市が計約900世帯に貸与した。
県警によると、今年1~10月の特殊詐欺の認知件数は前年同月比167件減の800件で、被害金額は約10億1700万円減の約17億円で被害件数・額ともに減少傾向であるが、「全国的に見ても依然として高い水準」としている。埼玉県警生活安全企画課は「詐欺グループは電話口で会話する中でだませるか?どうかを判断している、録音されていると分かると詐欺グループも警戒して電話を切ることが多く、装置設置は有効な対策」と分析しており心配な方は設置を推奨しております。