6月25日に改正建築基準法施工
これまでは、空き家住宅を店舗やシェアハウスなどに用途を変更して活用する場合、100㎡以下の他用途転用は、建築確認手続き不要で建物の延べ床面積が100㎡を超えるものについては、建築確認申請が必要でしたが今回の改正で200㎡以下の場合は申請が不要となりました。この法改正が空き家再生の追い風に。
空き家の用途変更、検査済証が必要
建築基準法の主な改正点は、4項目ありますがその中の一つで ”既存建築ストックの活用„ で空き家問題に注目が集まっている今、注目したいところです。
建築確認申請は役所に対し、建物を新築したり空き家住宅の用途を変更したりする場合、その変更内容を申請し役所にチェックをしてもらう事です。申請が必要な空き家の用途を変更する場合、対象となる建物の検査済証が発行されていることが必要となります。検査済証とは、その建物が竣工した際、建築確認申請の通りの建物が建てられているかどうか検査を受けた証です。
しかし、古い建物は検査を受けていないものが多く、平成以降に建築された住宅でも検査を受けていない事はよくある話しで検査を受けていない場合、まずは建物が当時の法律に照らして適正に建てられた建築物なのかどうかを調査し、適正に建築されたことを証明してからでないと、空き家の用途変更に関する建築確認申請を受け付けて頂けないのが一般的でした。
今回の改正は、住宅などの空き家について用途を店舗やシェアハウスに変更する場合、建物の延べ床面積が200㎡以下は建築確認申請を要しないというものです。
国土交通省によれば、戸建住宅のストック(約2800万戸)の面積の分布は、全体のうち100㎡未満が約3割、100㎡以上200㎡未満が約6割を占めています。今回の法改正で、これらの建物について建築確認申請の手続きの煩わらしさが解消されるため、多くの空き家に再生のチャンスが出てきたといえそうです。
ここで注意しなければならないのは、建築確認申請が不要になったからといって、何でもありという事ではなく、住宅の空き家を別の用途に変えるといっても、そもそも住宅としてつくられた建物ですので、店舗やシェアハウスなどを想定した建物になっておりませんので、不特定多数の方が利用する店舗と個人が生活する住宅とでは、防火や避難に対する考え方が異なるからです。
このため、住宅を店舗やシェアハウスなどに用途変更する場合、建築確認申請が不要といえども、原則として店舗やシェアハウスを建築するときの基準に合致するよう空き家住宅を改修する必要がありますが、これまでネックとなっていた検査を受けていなかった建物についても、場合によっては用途を変更することで再生が出来るチャンスが生まれる事は間違いなさそうです。