川口自主夜間中学卒業した生徒ら、苦労や学ぶ喜び語る
川口市で市民団体が運営する自主夜間中学が開校から今年で35周年を迎え、川口市の施設で今月3日にボランティアのスタッフや生徒、卒業生ら約40人による集会が開かれました。「川口自主夜間中学」の代表は、新型コロナウィルスで長期の休講を強いられた窮状を紹介し、又「コロナの収束は見通せないが、学びたい人たちに引き続き寄り添う」と意気込みを語られた。
川口市には昨春、埼玉県で初めての公立夜間中の芝西中陽春分校も開設。「埼玉に夜間中学を作る会」の代表は「公立夜間中の設立は私たちが求めていたことだが長い時間がかかった。病気で亡くなるなど学びたい思いを抱えたまま世を去った人は多く、うれしさと悔しさが交錯している」と話された。
「川口自主夜間中学」の35周年集会では、卒業した国内外の生徒がこれまでの苦労や学ぶ喜びを語られ、87歳の生徒さんは自主夜間中学を卒業し、現在は陽春分校の2年生で、「戦争で行けなかった中学校生活をもう一度体験したい」と最高齢者として陽春分校に入学した生徒さんは、生徒に外国人の生徒が多いことから「外国の人が自国の歴史をどう学んだかも知りたい、学ぶためにもっと時間が欲しい」と話された。
6年前に来日し自主夜間中学に通い、今は駅近くのショッピングセンターで働いている中国出身の41歳の生徒さんも「日本語をもっと勉強したい、友達も欲しかった」と陽春分校に入学しており、
「仕事は午後3時まで、保育園で子を迎え、5時半から陽春分校だが、いつも遅刻が多い、私が学校へ行っている間は小5の長女が下の2人の世話を焼き、コロナで小学校が休校の時は仕事を休みました」
「先生は優しく、詳しく教えてくれて友達もできた。自主夜間中の皆さんも陽春分校に入りましょう」と自主夜間中にエールを送られた。