認知症は「ドッグセラピー」で改善するか?

 なぜ、犬がいると認知症患者は笑顔になるのか?

特別老人ホームや介護老人保健施設の施設内で提供されるサービスはいろいろありますが、なかでも入所者の素の表情を見ることが出来るのが、レクレーションです。

職員がリードして、歌を歌ったり、軽い体操をしたり、しり取りをしたり、お手玉を投げて的に当てるといったスポーツ的要素のあるゲームをしたり・・・・等。

高齢者施設で行われるレクリエーションは単に娯楽という目的ではなく、適度に体を動かすことで身体機能の維持を図ったり、指先や脳を使ったりすることで認知症の発症や進行を遅らせるといった効果が考慮されているそうです。施設の入居者の方々を飽きさせないよう多様な工夫を凝らしたレクリエーションを行っていましたし、リードする職員も楽しんでもらおうと一生懸命で好感がもてます。

ただ、様子で全員が楽しんでいるという感じではない、嫌々参加しているのか、それとも認知症のせいなのか、職員の呼び掛けに応じない人が数人見受けられます。色々なタイプの人がいて求めるものも異なる高齢者施設では、こうした温度差が生じるのは仕方がないのかな?と思っていたわけですが、そんな印象を覆す光景に出会い、フロアに集まった14人の高齢者がにこやかな表情で、穏やかな空気が漂っており、楽しい時間を共有しているという感じなのです。

そのにこやかな視線の先には3匹の小型犬がいました。

ある人は犬をひざの上に乗せ体をいとおしそうに撫でたり、おやつをあげている人もいる。また、ある人はボールを入所者に投げてもらって遊んでいる人をニコニコしながら目で追っている。いわゆる「ドッグセラピー」のことで月に一度ドッグセラピストとともにセラピー犬が派遣されて、入所者とともに過ごす時間を作っているそうなのです。

アニマルセラピーという人の気持ちを和らげる活動があります、動物の体に触れたり、そのしぐさを見せたりすることで心身の緊張をほぐし、ストレスを軽減する治療法です。動物には人の心を癒す力があるようで、馬やイルカなどと触れ合うことで病気を伴う症状を軽減しようという試みが実際に行われています。

ペットを飼うのもそのひとつで、ペットを心の支えにしている人は少なくありませんし、認知症予防の効果があるともいわれています。又、最近「猫カフェ」等、様々な動物がいるカフェが登場し愛好者の癒しの場になっております。

それと同じく、高齢者施設でもアニマルセラピーが導入されていたのです。動物は多くの人から愛される犬、ドッグセラピーというわけです。少なからず楽しめていない人がいたレクリエーションとは異なり、ほとんど全員の人を笑顔にしていたドッグセラピーの効果はかなり効果があります。

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