川口市の工場で高齢者事故防止ペダル開発

ブレーキとアクセルの踏み間違い事故を減らそう!

高齢者による自動車事故が毎日のように報道されておりますが、「アクセルとブレーキの踏み間違い」が増えており、川口市弥平3丁目1番8号のナンキ工業の社長(77歳)は、「事故を減らす一助になれば」との思いから踏み間違い事故防止装置「STOPペダル」を開発した。アクセルペダルにブレーキ機能が付いたもので、アクセルを力強く踏み込むと、ブレーキが掛かり減速する構造でメーカーと協力しながら、実用化に向け動いている。

・一定の力で作動「STOPペダル」は、アクセルとブレーキ本体を連結させたもので、自動車の現在のアクセルペダルを外し、ブレーキアームの中ほどに付け替える。アクセルペダルを、設定した一定の範囲を超える力で強く踏み込むと、ブレーキが作動する仕組みになっており、アクセルペダルに装着した調整ネジが開き、アクセルの機能が解除。同時に連結しているブレーキに掛かったロックが解除され、ブレーキペダルを押し込む。

ペダルを踏みこむ力は人それぞれで、ブレーキペダルに取り付けられたつまみで調整できる。

装置は、間違えてアクセルを踏み込んでも、その力がブレーキに掛かるようになっており、「センサーや電子機器と違い、装置そのものに誤作動する余地はないので、安全な装置だと思います」(ナンキ工業社長)。装置は2013年に「アクセルペダル誤動作解消装置」の名称で特許を取得している。社長自身も自家用車に取り付けていて、「車検も通っている」とのことであります。

・2010年秋にテレビで高齢者らがアクセルとブレーキの踏み間違いで起こす自動車事故が多発しているのを知ったのがきっかけで「踏み間違いを防止する装置を開発したい」と番組を見た翌日から取り掛かり6年改良を重ねられた。

苦労した点は「運転席の狭い足元のスペースに取り付けられるように、装置を小さくすること」「各車種で使えるよう、汎用性を持たせること」だった。そして「アクセルを踏んで、ブレーキが掛かるようにするための構造を作り上げるまでに苦労した」と振り返る。

・現在、装置の機能を多くの人に知ってもらおうと、試乗会を行っている。参加者からよく聞かれるのは「緊急時に高齢者はペダルを強く踏むか」「高速道路や上り坂などアクセルを強く踏む時に、装置が作動することはあるのか」の二つとのこと。

高齢者が強く踏めるかどうかは「踏み間違い事故をした知人が『とても強く踏んだ』と話していた」という。高速道、坂道については「教習所で習った通りの運転をすれば、作動しない」と語る。

南社長は「早く実用化したい」と話すが、PL法(製造物責任法)の課題があり、現在自動車部品メーカーと量産に向けて話を進めていると話された。

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