福祉や医療分野などで権限が委譲される
埼玉県川口市が平成30年4月1日に中核市に移行することが11月21日の閣議で決定された。
奥ノ木市長は同日、緊急記者会見を開き、「私の市長選挙における最大の公約だったので、本当にうれしい。保健所行政や福祉、医療分野など多くの権限が県から市に移譲される。市が市民を守るという積極的な姿勢で、60万市民の目線にあった行政サービスを展開したい」と抱負を語り、満面の笑みを浮かべられた。
川口市が中核市に移行すると、県が持つ約2200の権限が市に移譲される。
中核市は人口20万人以上が要件で全国での中核市は54で埼玉県では3番目であり、都道府県から市へ権限が委譲されるのは、
①身体障害者手帳の交付 ②特別養護老人ホーム設置認可・監督 ③保健所の設置 ④産業廃棄物処理施設の設置許可 ⑤県費負担教職員の研修 ⑥飲食店の営業許可 などで市が独自に決定できるため、サービスのスピードアップと柔軟できめ細やかな実施が図られる。
「保険所行政などで、埼玉720万県民目線から、川口60万市民目線になる」市長就任前の埼玉県議時代から中核市構想を抱いていたという奥ノ木市長は市民へのメリットを強調した。
さらなる周知が必要なため、同市は今後1年かけ中核市への移行に関する広報活動に力を入れる、市内で行われるイベントに「中核市移行記念」といった表示をすれば補助金も出すという。
東京都とさいたま市に挟まれる川口市の地理的な状況を踏まえ、奥ノ木市長は「都市間競争にさらされているが、中核市移行を『選ばれる街づくリ』への1つのステップにしたい」と意気込まれた。
中核市への移行について、川口市は2017年3月に市議会が議決し、7月に県議会の議決を受けて県が同意、7月23日に総務相に指定を求める申し出を行っていた。