自民・公明両党が2018年度の税制改正大綱を決定し、目玉となった所得税改革では、基礎控除の引き上げと給与所得控除の減額により、2020年から年収850万円を超える会社員が増税となる。その他に住宅購入などに関係する改正もあります。
新築住宅の固定資産税の減額措置を2年間延長
今回の大綱に盛り込まれた住宅関連の税制改正は、既存の特例などの期限延長がほとんどです。
新築住宅向けの固定資産税の減額措置は2年間延長される。この措置は新築住宅の建物分の固定資産税を、一戸建ては3年間、マンションは5年の間、2分の1に減額するもの。国土交通省の試算によると、2000万円の一戸建を新築した場合の固定資産税が、減額措置によって3年間で約26万円軽減されるというもので措置の期限が2018年3月末となっているが2020年3月末まで延長する。
長期優良住宅に対する特別措置も2年間延長される。長期優良住宅は、優良な住宅を長期にわたって良好な状態で住み続けるために、耐久性や耐震性、維持管理のしやすさなどの基準を満たす住宅を認定する制度で、認定された住宅は購入時の登録免許税や不動産取得税、新築時から一戸建は5年間、マンションは7年間の固定資産税が軽減される。この特例措置を2020年3月末まで延長される。
土地を購入する場合の不動産取得税については、軽減措置を3年間延長し、2021年3月末までとする。
不動産会社が中古住宅を買ってリフォームをした上で販売をする「買取再販」について、耐震や省エネ、バリアフリーなど一定のリフォームを行った住宅を買うと建物分の登録免許税が通常の3分の1に軽減される特例措置がありますが、この特例も2020年3月末まで2年間延長される。
マイホームの買い替えなどに関する特例を2年間延長
不動産を売って売却益(譲渡取得)が出た場合、所得税や住民税が掛かるが、自宅を買い替えた場合は各種特例が受けられ、買い替え特例や売却損が出た場合に最長4年間の所得から繰り越して相殺できる「譲渡損失の繰越控除」を2019年12月末まで2年間延長する。
不動産を購入するときの売買契約書や、住宅を建てる時の工事請負契約書に貼付する印紙税は2年間延長し2020年3月末までとなる。
通常国会に関連法案が提出され、3月末までに確定する見通しであります。