配偶者優遇相続改正ポイント!

配偶者居住権の新設!

先月13日に閣議決定された遺産相続に関連する民法などの改正案は相続がどの様に変わるのかの改正案の主なポイントの「配偶者優遇」について具体的なケースを想定してみました。

一つの例と致しまして被相続人(死亡者)が夫で、相続人が妻と子供2人で遺産が家2千万円、現金2千万円とした場合で、遺産分割の話し合いが不調で遺言もない場合ですと、分割は法定相続分に基づきます。

この場合、妻は2分の1、子供が4分の1ずつなので、取り分は妻が2千万円、子供が各1千万円になります。妻が家を相続すると現金を相続できなくなり、現金を相続すると家を失う。

配偶者居住権はこんな時に必要で、この権利があれば他者に家の所有権があっても住み続けることが出来ることができます。

先程の例でみると、配偶者居住権を1千万円、家の所有権を1千万で設定すれば、妻の取り分は配偶者居住権1千万円と現金1千万円、長男は家の所有権1千万円、次男は現金1千万円というような分割も可能になり、妻は家も失わずにすみ現金も相続できる。

配偶者居住権は一代限りで売買出来ないもので、評価額は配偶者の推定余命などを基に算定致します。

家を遺産分割から除外!

もう一つの配偶者優遇策が「家を遺産分割の対象から除外可能な点。先程の例で同じ家族構成で、夫が妻に2千万円の家を生前贈与し、残った現金が2千万円で、遺言で意思表示しない限り、生前贈与した家も遺産分割の対象になるので、妻の相続分は2千万円、子供は各1千万円となり、妻はすでに2千万円の家を贈与されているので現金は相続出来なくなる。

しかし、改正案では明確な意思表示がなくても遺産相続の対象から外してもよいとしている。この結果から遺産は現金2千万円だけになり、妻は2千万円の家に加え、現金1千万円を相続出来、子供は各500万円となる。この場合の除外出来る条件は①20年以上法的に結婚している夫婦に限る②住んでいる家に限る

と設定される。この他、相続人以外の被相続人の親族が被相続人の介護を行った場合に、一定の要件を満たせば相続人に金銭請求できるようにする。又、現行で自筆でなければならない自筆証書遺言の財産目録をパソコンで作成することも可能とし、法務局で自筆証書遺言を保管する制度を創設する案もありますが、まだ法案は通過しておりません。

(有)吉村不動産

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