「部屋の中を見て、すごく気に入った!」と思っても、すぐにその部屋に住めるわけではなく、契約の手続きを済ませなければなりません。まずは契約から入居までの流れをチェックしましょう。
賃貸契約の流れ
申込み
- ● 入居申込書の提出
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入居を希望する部屋が決まったら、申込みを行います。住所・氏名・収入・勤め先・などについて記入し、免許証などの身分証明書のコピーを提出します。それを元に大家さんや賃貸保証会社が入居審査で入居にふさわしい人物であるか審査します。
賃貸契約をするにあたり、両親や兄弟の親族等の保証人が必要ですが、保証人がいなくても賃貸保証会社が代わりに保証人になってくれます。万が一、病気や失業などで家賃が支払えなくなった場合に本人に代わり保証人に請求が行われます。
入居審査
入居申込書に記入された、本人の職業や勤務先、勤続年数、本人の収入などから、大家さんや賃貸保証会社が入居にふさわしい人物であるかを審査します。
家賃が滞納されることがないかを最重要視されるため、フリーターや過去に滞納がある場合などは審査が通らないこともあるようです。
- ● スケジュールの確認
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入居審査の結果がどのくらいで出るのか、契約はいつ頃行うのか、契約に必要な書類は何か、いつ入居できるのかなど、入居までのスケジュールを不動産会社に確認します。
契約直前に焦ることのないよう、準備を進めておきましょう。 - ● 費用の確認
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契約には以下のような費用が必要になります。地域や不動産会社によっても異なりますので、確認が必要です。
- 敷金
- 修繕費用や家賃滞納などに当てる目的で預けるお金、退去時に精算されます。
- 礼金
- 大家さんに対してお礼の意味を込めて支払うお金。
- 仲介手数料
- 大家さんとの仲介をした不動産会社に支払うお金で上限は家賃の1ヶ月分までです。
- 前家賃
- 入居した月の家賃、月の途中から入居した場合は日割り計算で支払います。
- 火災保険料
- 火災や水漏れ、盗難などの保証をするため、入居者の加入が義務づけられていることがほとんどです。
- 鍵の交換費
- 以前の入居者が使っていた鍵を替える場合、その費用は入居者が負担することが多くなっております。任意の場合がほとんどですが物件によっては必ず替えてくださいということもあります。
- ● 必要書類の確認
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契約までに必要な書類を揃えておきましょう、直前になって慌てることのないよう事前に確認し、早めの準備が必要です。ただし、物件や不動産会社によっては必要のないものや他に必要となるものもありますので、よく確認をして下さい。
- ・入居者の住民票
- ・保証人の印鑑証明
- ・連帯保証人承諾書
- ・家賃支払口座届出印(自動引き落としの場合)
重要事項説明・契約
聞き慣れない言葉かもしれませんが、「あなたが住むのは、こういう部屋ですよ」という確認をするのが『重要事項説明』、その上であなたと大家さんが部屋の貸し借りを取り交わす約束をするのが『契約』というと、わかりやすいのではないでしょうか。
今後の生活の拠点となる大事な場所のことですから、少しでもわからないことや疑問に思ったことがあったら、遠慮せずにその場で必ず確認するようにしてください。
- ● 契約時必要なもの
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契約当日には以下のようなものが必要になります。ただし、物件や不動産会社によっては必要のないものや他に必要となるものもありますので、よく確認をしてください。
- ・必要書類
- ・印鑑(契約に使用するもの)
- ・身分証明書(免許証等)
- ・銀行口座預金通帳と届出印(自動引き落としの場合)
- ・連帯保証人承諾書
- ・お金
- ● 重要事項説明の注意点
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賃貸契約を結ぶにあたり、取引を行う不動産会社の宅地建物取引主任者が、物件の構造や設備、禁止事項等について説明することが義務づけられています。内容をよく把握してから署名・捺印しましょう。
特に注意しておきたいポイントは以下の通りです。トラブルとならないためにも、契約の段階で疑問や不安は取り除いておきましょう。- 家賃・管理費・支払方法
- 家賃、管理費を最終的に確認しましょう。振込等で手数料が掛かる場合はどちらが負担するのかといったこともはっきりさせておくと安心です。
- 更新条件
- 更新期間、更新料、家賃の値上げの有無を確認しましょう。2年おきに更新というのが一般的。
- 契約の解除
- 契約条件に違反した場合、家賃を滞納した場合など、契約が解除される条件について確認しましょう。
- 敷金精算の条件
- 退去のとき、一番問題となりやすいのが敷金の精算。入居者には原状回復義務(借りたときの状態にして明け渡す)がありますが、この基準が不動産会社や大家さんによって違うため、確認するようにしましょう。
- 禁止事項・注意事項
- 契約者以外の人が住む、ペットを飼う、石油ストーブを使う、楽器を使うなど、物件によって禁止されていることがあります。
引渡
重要事項説明書・契約書の内容を理解し、署名・捺印をし、支払いを済ませ、契約書・重要事項説明書・領収証・預り証・鍵を受けとったら引渡終了となります。
- ● 部屋の再確認
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- 家具・家電の配置
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引越で荷物を運び込むときになって、あれこれ考えていては時間も手間も必要以上にかかってしまいます。あらかじめ部屋のスペース等を測り、家具や家電をどのように配置するかを考えましょう。
実際に部屋に行くことができない場合でも、間取図を使ってシュミレーションしておくのをおすすめします。 - カーテン
- 防犯という観点からもカーテンは引越前に用意しておきたいもの。カーテンレールの有無、窓の大きさなどを確認しておきましょう。規格サイズ外ということもあるので、きちんと測ってみることをおすすめします。
- 照明
- 照明器具があらかじめ付いているとは限りません。昼間下見に行った場合、気づかないこともあるかもしれませんので、真っ暗な部屋の中で過ごさなくてはならないなんてことのないよう確認しておきましょう。
- 傷・汚れ
- 去の際に敷金を余分に取られてしまうことのないよう、入居前からあった傷や汚れを見つけた場合、入居後速やかに不動産会社等に連絡をしておきましょう。
契約が済み新たな暮らしへの夢もふくらむと思われます。自分なりのインテリアや暮らし方を、ぜひ楽しみながら考えていって下さい。次は引越の準備となり、これまた一仕事ですが、これを抜ければ新たな暮らしがスタートします。